.oO(monologue)

毒吐く独白(ノン)フィクション

沈黙が心地いい時代を通り過ぎて何を見つけよう?

先日club-DTMでアルバム年間ベストを個人でそれぞれ発表し合う、という企画をKagefumiくんが計画してくれて、参加したものの(想像はしていたけれども)みんなの熱量がスゴくてグツグツだったので、その場ではあっさり紹介したもののやっぱり自分も色々と考えているうちに煮詰まってしまった!
これは健康ではないので、腐らないうちに消化しちゃいます、なまものです。

ちなみに順位ですが、聴いている気分や尺度がそれぞれ違うなぁ、と思ったのであえて付けてはいなかったのですが、行ってみたらホワイトボードにナンバリングされていたので「その時のタイミングでプレイリストとして並べるならこう!」みたいな形でその場の勢いでfixしました。
記事自体メッチャ長いし、聴きながら見たいと思うんで何回かに分けて見るのをオススメします…。

10. SHE IS SUMMER - WAVE MOTION

前回のフルアルバム「WATER」が表現力*1とイメージ*2がスゴく良くって、タワレコ札幌ピヴォ店でやっていたインストアライブも観に行っていたんですが、周りを見るやいなや、ことごとくJKJCJD、みたいな感じで、メッチャみんなMILKFED.やん!浮いてる!と思うも、「あ、なるほど、共感性!」と悟りながら帰った記憶。
自分はevening cinemaの作るわざとらしいぐらいクサい曲が大好きで、今回のアルバムにも原田氏作曲が2曲あって(M-11, 12)これだけで一聴の価値あり。特に今回は前よりも全体的に"低く"て、ちょっとシティポップ寄りで、この曲をあの時ライブに来ていた人たちが「良い~」と思いながら聴いている環境は非常に健全で良いな、と。
あ、あとは前回と今回のアルバムの間に発表されていた「NEW ME」とかがアルバムに入っていないあたり(いくらタイアップといえども)、アルバムはコンセプチュアルに作られているんだな、と、今回の趣旨にもそぐいそうだなと思い選びました。

9. CFCF - Liquid Colours

Vaporwave界隈とか、一つの懐古主義みたいな形でレコードと同じように再燃しつつあるカセットテープの世界、ちょっと足を突っ込んでみたくなり、自分がフォローしているBandcampのアーティストやレーベルの中でまだ売れ残っているカセットテープって何かな~と思い探した結果出てきたのがこのアルバム。嬉しくなって即購入。
このためにプレーヤーも新調して*3、早速聴いてみるものの、おとなしくも刻んでいくドラムが心地いい作風が自分にベストマッチ。アンビエント企画やってたのもあるし、μ-ziqが好きなら多分これも好き。
これ、カセットやレコードでリリースすることを視野に入れて(というか前提?)ギャップレスなのかな~とか想像させないぐらいの一体感で、気がついたら「あれっ、もう終わった?」っていう感じがした。多分これはスゴく良い感覚だと思い選びました。

8. Two Door Cinema Club - False Alarm

アルバムが出た事自体はInstagramのストーリーズ広告で知ったんだけれども、TDCC自体はUndercover MartynとかBad Decisionsとかで知っていたので、オモロそうなMVだったししっかり聴いてみようと思い聴いてみた。(同時期に似たようなMVをJojiが出していたのも面白かったな)
案の定メチャクチャアルバム自体も面白くて、特にM-10のAlready Goneは「リッピングとかエンコードミスったんか?」って思うぐらい唐突に終わるので、こういうことにチャレンジできるシーンや人たちは楽しいな~と思い選びました。

7. 柴田聡子 - がんばれ!メロディー

自分にとっていいアルバムは、自然に聞き流してノれるとか、疲れないとか、そういうのが基準になることが屡々で、このアルバムは疲れない方の枠。部屋掃除をしているときに流していたら元気になるような感じ。
なんというか、全体を通すと、運動会から学習発表会*4、みたいな感じで、スゴくいい意味で子どもの頃のいい部分だけを思い出せた。M-11のジョイフル・コメリ・ホーマックとか、実家の近くにあるホームセンターだし、思い出さないわけがないし(でも最近ふと行っていないなと感じた)今年はこういうコンセプトのものを見つけてしまい、ああ良い!と。生活に寄り添って、これからも生活は続いていくんだな…と悲しさ2割(思い出1割)、楽しさ8割(吹っ切れ1割)、怖さ0、みたいな感じが良かったので選びました。

6. Yoshino Yoshikawa - Ultrapop

芳川よしのの表記時代から知っていたはずなのに、実はしっかり聴くのは今回が初めて。not records*5からリリースってのは結構デカかったかもしれない。
結局自分がずっと聴いていて、これからも聴きたいのはポップス、ポップスの延長で良いんだよな~と思った一枚。特にコードの進行とかメロディとか、先述したスーパーとかの延長の現代スタイリッシュ版、みたいな。あ、あとは昔大好きだったオンラインゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」も少し思い出しました。あのゲームの音楽はマジで好きすぎて、それを思い出しちゃうとか、もうこの時点で入れない理由がないので選びました。

5. クラムボン - モメント l.p.

Spotifyのフォローしているアーティストのメール通知でアルバムを知り、「目につくジャケットだな~」と思ったらサブスク配信のみっぽくって納得。小袋さんといい、こういうスタイルはどんどん増えるんだろうね。
M-01のLush Life!、もう最初のメロディで、あ、これはK-POPで流行っている感じヤスタカもキズナアイで実験してるような、こういうメロディを、バンドが、しかもクラムボンがやるんだ!っていうのが新鮮で良くてこの時点で候補入り。で聴いていくうちに楽しくなっちゃっていくし、流れもあるし、聴き終わって「あぁ良かった!」って言えたので選びました。短めの邦画を一本見た感覚に近いです。

4. 黒魔(Chroma) - 愛を喜ぶ街

これもnot recordsリリースで知り。帯にはあの中二マリオの人と書かれていたが正直そんなのは全く信じられないし最早…。
欲しい音が欲しいタイミングで欲しい時期に鳴ってくれて、ちょうどこれを聴いていた頃、自分は長距離移動が多かった時期だったんだけれども、なぜか帰り道ですら目的地までが楽しくなる最高のアルバムだった。M-12の闊歩するケモノGBCのラスボス感とか、特に、信じられないのに、みたいな歴史も踏まえちゃってて身体が本能的に感動で泣いている感じだったので選びました。

3. CHEMISTRY - CHEMISTRY

完全復活、この時を7年間待っていた気がするなぁ、と思えるぐらいCHEMISTRYは子どもの頃から大好きで*6、この二人の複雑なハーモニーが足りないよなぁと思い続ける必要がなくなり、もう大絶賛歓迎ムードという感じです。
ふたりともソロで活動しているうちには色々なアプローチでやってて、それも知っててからのカムバック、しかもメッチャ良かった頃まで戻ってきてるってのもスゴい良い。
またM-01はtofuさんがアレンジャーで参加しているし、あぁ、知っているところからこうもまた楽しませてくれる要素を増やしてくれるのかと…
M-04のサンプリングは謎だし(そういうところを求めているし)、M-11の13ヶ月が聴けるだけでこれこれ!となる流れでのM-12のStill Walking、あ、そうだよね、ケミはサビで曲名を言う感じじゃないもんね!みたいな、そういうところまで気持ちが戻れてよかったので選びました。また自分は響のときのようなライブを待っている…。

2. Omodaka - Gujoh Bushi

Omodakaは10年前ぐらいからJRタワースクエアカードのCMkyoteizincのMVが使われている頃から大好きで、リリースを知りながら聴けたのは今回が初めて。
音はスゴく少ないのにその一つ一つに厚みと奥行きがスゴくあって、特にこの空間で低いところがちゃんと出るんだ、ってところに単純に驚き。
M-08のRyotsu JinkuとかメッチャKraftwerkっぽいしYMOっぽいし!ってなるし、M-09のHyamikaoみたいなカットアップも初めて聴くし最高だし、このベースライン、最高!ってなれたので選びました。

1. DÉ DÉ MOUSE - Nulife

問答無用の言わずもがな。リリース発表時から内定ですよ…ジャケよ、最高か!
曲中で多用されているローパスフィルタ、今後DJで多分メッチャ使うようになります。
発表一ヶ月前ぐらいからSNSのIN率が急に下がったのでわかりやすかったんですが、この人は毎年ミニアルバム2枚とフルアルバム1枚出してて、もう大好きが量産できるんだろうなと思ってメチャメチャ羨ましい。M-06のBreathとか、最初に聴いた時Daft PunkのThe Prime Time of Your Lifeを思い出すような声の加工でコンセプトから新天地を感じた…。
今後もずっと聴き続けるので選びました。なんかすぐに次のアルバム出そうな気がする…。

全体をまとめたSpotifyプレイリストはこれ!

時間上絶対に紹介できないと思って途中で省いたのですが、惜しくもトップ10から漏れてしまったのは、Spangle Call Lilli LineのDreams Never EndMaison book girlの海と宇宙の子供たちパソコン音楽クラブのNight Flow(楽屋ではありがとうございました!)、in the blue shirtのRecollect the Feeling(アリムラさんから直接1枚頂きました、club-DTMに寄贈しています、ありがとうございました!)、dj newtownのWESTMEMBERS(知らないけれども会えた気がする、そしてパス当たって良かった)とかでした。かなり迷った。

吟味していく中で、「メンバーだったらこれはマストで入れるだろうな」とか、色々と考えているうちに「ちょっとカブらないようなチョイスをしてみよう」と思って最終的にまとめ上げることができたのですが、結果クコルカくんと柴田聡子でカブるという、やっぱ避けられないんだな、このサークルは!となりました。
でも人に比べてまだ自分はジャンルに凝り固まっていて、他の人の紹介したアルバムでも聴いたことのないアルバムばっかりでした。聴いてきます。あと、みんなマジメだね!

それと、この企画を聞く前からこういうことはやりたいとずっと考えていて、アルバムだけに限らず2019年ってどんなんだったっけ、と、2019年頭からずっと備忘録的なプレイリストを個人的に作っていました。こちらも良ければ。

というわけでやり残していた2019、一つ解消!2020もボチボチ聴いていこうと…

*1:特に「とびきりのおしゃれして別れ話を」の2:29からとか

*2:「あれからの話だけど」のBABY-Gとか

*3:SONY WM-FX202 ウォークマンとしては最後のカセットテープ対応機種

*4:うちの地域では学芸会でした

*5:DÉ DÉ MOUSE主宰のレーベル

*6:一時期CHEMISTRY禁止令が出たぐらい